クールガールのハイヒールを作る


クールガール、ボークスの写真撮影の手順と所要時間についてその②

クールガールのEVILポリス白バイクールガールのEVILPOLICE、白バイと共に

いよいよポーズ付け(振り付け)です。

     さて、バック背景も決まりましたので、いよいよ皆さんが撮りたいテーマに沿って、フィギュアの振り付けをします。必要なアクセサリーを用意して、クールガールやボークスのローストエンジェルたちに着せ付けます。それでは、ポーズをつけましょう。と、ここで、気をつけることがあります。それを説明する前に、まずは、私たちがよくやる典型的なミスをややオーバーに、再現した写真例をご覧ください。

クールガール写真撮影の失敗例よくやるミスの実例写真、ミスは何箇所ありますか?



     ご覧になって、何か気になった点がありますか?答えを言う前に、次の修正後の写真と見比べてください。同じ、ボークスのローストエンジェル、ヘッドもレザーウェアも同じ。それなのに、感じる印象はまったく違います。まるで、命が宿ったかのように活き活きとしています。一方、さきほどの写真は、ボー立ちのまるで着せ替え人形のようで(確かに、着せ替え人形ではあるわけですが…)生気がありません。いったい、どうしてこんなに大きな違いが出てくるのでしょうか?

修正後のクールガール写真ミスを修正したあとの写真例、同じフィギュアが活き活きとして見えます。



     答えは、振り付けです。実は、女性フィギュアの振り付けをするときに1つだけ、鉄則があります。それは、S字ラインになるように振付けるということです。これは、実写の女性モデルを撮影するときも同じです。全身の一部でもいいですから、必ずS字曲線になるようにできるだけポーズをつけると、女性らしさがでます。もともと、10年ほど前に、3DのCG美少女をモデリングしていたころに、この鉄則の存在を知りました。それ以降、漫画やアニメ、フィギュアから実際のモデル女性のポートレート撮影まで、全てに共通する法則であることを体験してきました。
     実例では、体の中心線を貫くS字曲線と、両腕のそれぞれにつけたS字ラインがこのフィギュアの印象を決定付けています。やわらかい女性らしい曲線美が感じられると思います。もちろん、美少女系とは正反対のハード系のクールガールでも、この鉄則はあてはまります。冒頭のEVILPOLICEのモデルも、全身の中心が曲線を描いているのがお分かりになるでしょう。参考までに下記の具体的なラインをご覧ください。

S字ラインを描いたクールガールのポーズS字ラインを描いたロストエンジェルのポーズ



     以上、ポーズ付けをするときは、できるだけS字ラインになるように心がけるという鉄則を覚えておきましょう。

最適な照明の位置を探す

     ポーズも決まったら、今度は、最適な照明位置を探すことになります。ただ、照明については、それだけで奥深い内容なので、改めて別途照明に関する専門ページで解説したいと思います。ですから、ここでは、もっともフィギュアを美しく見せる照明の位置を、あれこれ照明を動かしながら、試行錯誤して決めるのだということだけを覚えておきましょう。
     実際には、それぞれの写真の目的に応じて、照明の位置が決まります。たとえば、ヘッド作家の方は、作品の表情が一番よく見栄えがする照明の位置を探すことですし、弊社のようにレザーウェアの販売目的の場合は、モデルの表情とドレスウェアの両方の見栄えの良い照明の位置を探すことになります。したがって、完全な正解とも言うべき照明位置はありませんが、少なくとも良くない照明位置というものは、あり得ます。
     下左の例では、顔に影がありウェアもべったりとしたメリハリのない照明です。そこで、右のように顔の影が無くなるように照明を動かして表情を明るく、また、ウェアもコントラストの出る照明の位置を探して、撮影したものです。もちろん、この作例ではたまたま、これらの照明位置が良かろうと思っただけで、もし真夜中の薄暗い部屋の中でのイメージなら、また全然違う照明を探すことになります。要は、写真の目的で照明は変化させるということです。



クールガールの悪い写真例良くない例。顔に影がありウェア全体がのっぺりしてメリハリが無い。良いクールガールの写真例顔の影を無くし、ウェアにコントラストがでる照明位置に修正した。



最終チェック(ヘア、アクセサリー、視線)

     さあ、いよいよ照明位置も決まりカメラのシャッターを押したい気持ちはわかりますが、ちょっと待ってください。ここで、最終チェックを忘れずに。良い写真になるかどうかの仕上がりを左右する一番重要な作業です。冒頭に問題として出した写真では、典型的なよくやるミスが含まれています。それは、次の3点です。
     ①ヘアの乱れを直す。
     ②アクセサリーの位置、状態を確認。
     ③視線をカメラ目線にする。
なかでも、一番気になるのが①のヘアの乱れ。これは、実社会でもそうですね。いくら美人でも、ヘアスタイルがぼさぼさでは、魅力は半減します。女性にとって髪は命でもあるわけですから。
     修正するのに、私が愛用しているのはこのマイクロブラシ。非常に使いやすくて便利ですが、これの持ち手の方の柄の部分を、紙コップにいれた水につけてそのまま、ヘアの乱れた部分を水で湿しながら撫で付けることで落ち着かせます。たいていの暴れた髪も、これで収まります。先のブラシの部分は、髪の内側のように狭い部分を撫でるときに使います。ただ、この髪の乱れを直すのはとても時間がかかりますから根気が必要です。よく、あとからフォトショップなどで修正すりゃいいと言う人もいますが、手慣れたベテランでもこの髪の毛の修正は時間がかかります。特に、顔にかかったほつれ毛は、レタッチの困難な作業のひとつです。ですから、私も極力現場で修正できるものは修正してしまう方が、結局時間が早く済むと思います。

クールガールの悪い写真例②ヘアの乱れは、写真にがさつな印象を与えます。クールガールのヘア修正用のブラシヘアの乱れを直すための秘密兵器、でもないか。同じ商品だけど何故かパッケージが違う、、、



     ヘアの修正が済んだら、今度はアクセサリーのチェック。これは、いまだによく私もミスります。次の例のように気がついたらペンダントが後ろに回ってしまっているなど、、、あと、完璧だと喜んで写真撮影を終えたら、なんとペンダントが裏向いていたなどこれも、実話です。
     これらの修正には、手では無理ですからピンセットなどでやるわけですが、フィギュアドレスの扱いには以下のハサミとピンセットを愛用しています。特に、このピンセットは先端が鶴首状になっているスグレものでいろいろ他にも試した結果、一番これが使いやすいです。だから、ふだんビスチェなどのコルセットのガーターベルトの部分の位置調整なども確実にパーツや紐を掴んでくれるので重宝します。

クールガールのペンダントが裏向いた例ペンダントが背中の方へ回ってしまってる!あとで気づいたらトホホの世界。便利なクールガール用の工具非常に使いやすいハサミとピンセット。特にこのピンセットは先端が鶴首なので掴みやすい



     おまけとして、実例問題です。これは、仁義無き戦い(クラブのママ編)のビザールコミック用に撮影したシーンですが、撮影を終えて夜、自宅で編集中に気づいて気絶したミスです。結局、このミスのために100枚ほどの全ての写真がボツとなり、翌日、再度撮り直すハメになったものです。どこがミスかわかりますか?答えは、このページの再下段にあります。探してみてください。撮影中、私は、まったく気がつかなかったですよ、、、、トホホ。

クールガールの撮影現場ビザールコミックの撮影現場。この一箇所のミスを見逃したために、全部ボツに!どこがミスか、わかりますか?



     ヘアやアクセサリーのチェックもできたら、最後に視線合わせです。これは、意図的に視線をそらした写真を撮る以外は通常は、やはり強烈なインパクトを左右するので、できるだけカメラ目線になるようにして撮影しましょう。それでは、やっとOKですね。頑張って、シャッターを切って良い写真を撮ってください。

撮影の所要時間は?

     さあ、以上で、私なりの撮影手順について解説してきました。参考になったでしょうか?お役に立てば幸いですが、最後にここで、いったい撮影所要時間はどうなのかお話をして終わりたいと思います。おそらく、皆さんはカメラの撮影時間が長いと思うでしょう?でも、実際は全然違うんですよ。驚かれると思いますが、、、、
     ここで、CG00004の撮影ショットの現場写真のサンプルを見ながら、説明をしましょう。前のページでも言いましたが、とにかく写真というのは、一期一会なので、基本的に同じショットは撮ることができません。だから、いつ最高の出来のショットになるかわからないので、とにかく、後日、背景合成する場合に備えてできるだけ本番背景と別に、合成用のグリーンバックでも撮るようにしています。
     このときは、できあがった背景、地面、アクセサリーなど全ての環境をうっかり壊さないように、また振動を与えて倒れたりしないように、ものすごく神経を集中しますので、バックの背景を差し替えるときは緊張して疲れます。こうして、やっとシャッターを切ることができるところまでこぎつけたら、もうクタクタですが、、、、モデルさんも私と同様に長時間の撮影ポーズで疲れるのでしょう?ときどき、下の写真のモデルさんのように、極度の疲労で撮影直前に倒れることがあります…、違うかぁ!!!一瞬、シャッターも押せずに凍りつく私…。一気に気持ちが萎えますが、深呼吸してから、もう一度やり直します。こういう経験は何度もあります。だから、もうセット完了したら、とにかくいつ倒れてもいいように、電光石火の如く素早く、必死でシャッターを切りまくります。
     だから、撮影時間が短いのかも…知れませんね。

クールガールの撮影現場④CG00004の撮影現場。長い時間かけて、ポーズ~ヘアセットまで根気がいる作業で、クタクタですが、、、、まずは、合成用にお馴染みのグリーンバックで撮影。クールガールの撮影現場⑥続いて、通常の商品写真用の撮影に入るのですが、、、ここにたどり着くまでの作業で疲労はピークに、、、クールガールの撮影現場⑤モデルさんも疲れます。極度の疲労で倒れたモデルさんの図!違うかぁ!この瞬間、シャッターも押せずに凍りつく私。トホホ…



     通常、同一のセットシーンですと、大体半日(3~4時間)が目安です。その時間配分は、なんと!実際にシャッターを押して撮影する時間は、ほんの一瞬です。あとの作業の大半は、だいたい、毎回、次のような感じです。複雑なシーンなどでは、前後しますが大体こんな感じですね。特に、振り付け、ヘアセットと視線調整ですね、とにかく時間が非常にかかるので毎回、閉口しています、、、
     ①舞台設定…30分
     ②衣装設定…30分
     ③照明設定…40分
     ④振り付け~ヘアセット~アクセ、視線最終セッティング…90~120分
     ⑤撮影…3分~5分(ほんとに一瞬です。)

     (まとめ) ① 振り付けは、S字ラインが鉄則 
           ② 髪の乱れを直す
           ③ アクセサリの位置、状態を確認する
           ④ 視線をカメラ目線に合わす。


クールガールの間接が丸見えの写真クラブエンペラーのママおケイのリストバンドがずれて、クールガールの間接パーツが丸見え!クールガールの仁義無き戦い結局、翌日撮り直した仁義無き戦い、クラブのママ編の現場写真、トホホの世界、、、