クールガールのハイヒールを作る


ビザールクイーンのサイドカーを作る

ビザールクイーンのサイドカービザールクイーンの象徴とも言うべき、BizarreQueenサイドカー。ハーレーのサイドカーをベースに改造。

BizarreQueenの象徴!Theサイドカー

     お気に入りのクールガールあるいは、ボークスのロストエンジェルなどの美少女系ドールを飾るとき、ビザールクイーンのレザーウェアを着せるなら、どうしても必要なのがオートバイです。1/6スケールの制約上、スポーツカーやF1は大きいので日常のディスプレイには場所的に無理があります。それに対して、1/6でも手ごろなサイズ…40cm以内に収まるオートバイは魅力的なアイテムです。じゃ、どのバイクにするかですが、これはもう各自の好みになります。ビザールクイーンとしては、いまどきのレーサータイプではなく、やはりハーレーやインディアンといった、クラシックなオートバイが好みではあります。

     そして、なかでも、どうしても一台欲しかったのが、サイドカー。ところが、意外なことにこのサイドカーなるものが売ってないんです。ましてや、1/6で探すとなるとほぼ皆無。GPレーサーモデルは、いくらでも手軽に入手できますが、インディアンやハーレーとなると、その入手は非常に困難です。ネットオークションでも一年に数回程度しか出ませんから、見つけたら即ゲットしたほうが良いでしょう。実際、ビザールクイーンでも7台を集めるのに2年がかりで収集し、やっと改造作業にかかれた具合です。すでに、絶版になっているからでしょう。ですから、イージーに入手することは断念し、”無いなら作れ”のビザールクイーン精神で、とうとう田宮のキットを改造して作ることにしました。それにしても、考えるだけで苦難の過程が想像できますが…

     現在、1/6スケールのプラモデルキットでも入手できるものはありません。唯一田宮から出ていた、ハーレーサイドカーキットも現在絶版のため、オークションで入手するしか方法はありませんが、これも数少ないので注意する必要があります。いずれにせよ、現実的な道はこの田宮のキットしかありませんから、これをもとに改造していきましょう。

ビザールクイーン専用サイドカーの寸法直しから

     まず、入手したサイドカーのキットの箱を開けて、サイドカーの座席ボックスを仮組みしてアタリをとってみると…。なんと、サイズが予想以上に長すぎることが判明。このまま、ストレートに作ってしまうと、オートバイ本体と同じくらいの長さになってしまう。おまけにクールガールのクイーンを実際に乗せると、足の先に、かなりのスペースが空いてしまう。いいかえると、クールガールやボークスのドールを、この中で寝かせることができるくらいです。これでは、イメージしていたサイドカーとかなり違います。単純に、組み立て塗装すれば楽勝と思っていただけに、さっそく大きな壁にぶつかりました。

     自分のイメージでは、オートバイとのバランス上もっと、コンパクトなサイドカーでしたから、それにこだわるとすれば、当然オリジナルを切り詰めて、改造しなければなりません。座席ボックスを切り詰めると、当然それを載せるフレームも改造する必要があります。想像するだけで、かなりの手間がかかることが予想されます。しかし、どう考えても、オリジナルのままではビザールクイーンの象徴ともいうべき、サイドカーのイメージにならないので、自分のイメージにこだわり、あえて苦難の道を選ぶことにしました。
当時、F1の製作も抱えておりましたから、とにかく少しずつ作業を進めていくことにしました。

田宮製のハーレーサイドカー田宮製のハーレーサイドカー。これをもとに、改造します。クールガールにあわせてボディを切断したハーレー。2008/8/9 改造開始。まずは、クールガールに合わせて長すぎるボディを切断します。 ポリパテで接合切断した部分を接合し、ポリパテで埋めます。ポリパテ部分をペーパーがけ9/7 接着剤が乾燥したら、ポリパテの表面をペーパーがけします。



     2008年8月9日に、作業を開始。まずは、オートバイとのバランスを考慮して最終的な仕上がり寸法を決めます。それに伴い、不要な長さを切り詰めるため、接合時にもっとも両端の寸法差が少ない部分を探してモーターツールで切断しました。このキットでは、座席ボックスは上下に2分割されてパーツ化されているので、両方を同じ寸法になるように切断した上で接合します。

     表面はポリパテで接合跡が見えないようにします。裏側は接合箇所が外れないように接着剤を多めに塗布し、時間をかけて固めます。そのうえで、補強用に薄いプラ板を接着しました。したがって、次の作業に入るまでには、接着剤の乾燥する時間を十分にとるため、しばらく放置し作業は休みとなります。その間に、他のパーツの加工作業をします。


ハーレーのフレームを切断。ボディの接着を待つ間にフレームを切断します。ハーレーのフレームを接着。切断したフレームを切り詰めて接着、真鍮パイプを通して補強します。クールガールの背にあわせて風防を切断長すぎる風防もクールガールにあわせて切断します。組み立て準備ができたパーツ9/21 組み立ての準備が完了した、各パーツ。



     座席ボックス以外に、加工作業が必要になったのは、ボックスを載せるフレームです。切断して座席ボックスの長さにあわせたあと、真鍮パイプを通して補強しておきます。次に、イメージに合わなかったのが、風防。オリジナルは、これまた長すぎて不自然。これでは、ビザールクイーンの顔が見えないので、胸元あたりに自然に収まる寸法を検討して切断ラインを書きます。そのうえで、ボディ同様、モーターツールで切断したうえ、切り口をペーパーで滑らかにしておきます。

     以上で、他のパーツは特に問題もなく使えそうなので組み立てておきます。今回は、シートを実際に革張りのものにしたかったので、寸法を測って縫製してつくりました。あと、ストップランプも点灯するように麦球ライトを組み込んでいます。

     最後に座席ボックスも、接着剤が乾燥した段階で、表面のポリパテをペーパーがけして、塗装できる状態にします。ただ、実際は、一度失敗しており、ペーパーがけ中に接着部分が外れて!やり直しをする羽目に。また、すべてシンナーでポリパテを溶かし、接着剤をつけて接合しなおす…。改造作業は、なかなか、うまく行かないものです。

塗装が終ったパーツ10/7 各パーツの塗装が終わり、組み立てにはいります。組み立て完了したハーレーサイドカー組み立て完了。ただ、このままでは少し物足りないですね。リベット加工を追加よりハードコアなサイドカーにするため、リベット加工をします。このためにドリルで穴を開けているところ。完成したハーレーサイドカー全てのリベット加工が終わったハーレーサイドカー。




     さて、なんとか全てのパーツも出来上がったら、ポリパテを盛った座席ボックスにはグレーのサーフェイサーを吹きつけておきます。その後、全体を一気に黒で塗装してしまいます。当時、F1も同時進行中でしたので、黒のF1を塗装しているときの乾燥待ちを利用して、このサイドカーを塗装しました。この1/6クラスのオートバイですと、市販の塗装ブースで十分収まるので、塗装作業は楽チンです。基本的に、ビザールクイーンの黒は検証した結果、Mrカラーのスーパーブラックが最適だったのでもっぱら、これを利用しています。

     塗装も終わったら、いよいよ仕上げです。ビザールクイーンの象徴となるサイドカーなので、やはりフツーのサイドカーではおもしろくありません。そこで、ハードコアなイメージにするには…と考えた結果、レザーで使われる代表的なシンボルであるスタッズとして、リベットを打ち込むことにしました。やはりこだわる以上は、手間ひまかけることを厭わない精神が大切であると、言ってはみたものの…。

     実作業はかなりの苦労を伴います。まず、リベットを打ち込む位置に印をつけモーターツールで穴を開けます。次に、実際にビザールクイーンのレザーウェアに使うカシメの中から、ニッケルメッキのものを選択してひとつずつ接着していきます。作業は手間がかかりますが、できあがった作品を見ると、苦労は吹き飛ぶくらい素晴らしい印象を与えてくれる仕上がりとなりました。あまりにハードコアな出来なので、後日、インディアンのオートバイにも同じリベット加工をして、このサイドカー専用のインディアンを作ったくらいです。


ビザールクイーンのデカールを貼る10/8 最後にビザールクイーンのデカールを貼って引き締めます。完成したビザールクイーン専用ハーレーサイドカー完成したビザールクイーン専用のハーレーサイドカー。



     以上で、サイドカーの組み立てが完成しました。あとは、より一層アクセントをつけるために、ビザールクイーンのデカールを貼ります。これは、F1など全てに共通していますが、イラストレータで作画したデザインをアルプス電気の昇華型プリンタで印刷します。このプリンタでは、実際の金箔同様の印刷も出来るので重宝します。黒に金のデザインは、いかにもゴージャスな高級感を感じさせるので、ビザールクイーンのイメージカラーとしています。


クールガールのビザールクイーンが乗ったハーレーサイドカークールガールのビザールクイーンが乗ったBizarreQueenサイドカー。ハードコアな雰囲気がたっぷり。

     結局、こうして、2ヶ月がかりの苦労の末に出来上がったビザールクイーンサイドカー。レザーウェアをまとったクールガールのビザールクイーンが乗ると、ハードコアな雰囲気が満ちてとても、1/6スケールのフィギュアと思えない迫力です。今後の商品撮影のドラマチックなシーン作りに活躍してくれるでしょう。