クールガールのハイヒールを作る


クールガールのF1を作る

ボークスのロストエンジェル美少女ボークスのロストエンジェル系のボディを使った美少女アイドル風のキャンギャル撮影風ショット

アイドル、キャンギャル撮影の定番シーン

     お気に入りのクールガールあるいは、ボークスのロストエンジェルなどの美少女系ドールを飾るとき、アイドルやキャンギャル、サーキットクイーンといったイメージをより一層魅力的にするのは、着用する衣装だけではなく、やはり背景に置かれたF1やレーシングカーでしょう。

     ところが、1/6サイズで、リアルなものは残念ながら市販されていません。ゼロから、作るのは困難ですから、とりあえずベースとして使えそうな、ラジコン仕様のF1をネットオークションで探しました。そして、これをもとに、ビザール(赤)、ビザールクイーン(黒)の2種類の仕様で改造製作することにしました。本来なら、できるだけ仕上げる色と同じベースモデルを探したのですが、当時は時間が無くて、急いだ結果、黒のモデルが無く、仕方なく赤を2台調達しました。できれば、やはり同色であったほうが、作業は楽だったと思います。このベースモデルは、値段のわりに(3,000~5,000円)改造しやすいので、お勧めです。

     F1の製作期間は、完全なアナログ作業のため、週末の土日に自宅でするしかありませんでした。デジアナ職人のページでも言いましたが、当時は6インチハイヒールのデジタルモデリング作業も抱えており、平日の夜間はこの作業で手一杯の状況でした。結果として、改造開始としてパーツをバラし始めたのが9月12日、最終完成したのが10月13日。ほぼ一ヶ月にわたる9日ほどが所要時間でした。途中、サーフェイサーの失敗やり直しも含みます。ただ、塗装作業はどうしても乾燥という問題があるので、絶対的な時間がかかるのは、覚悟しなければなりません。急がば回れです。1/24スケールなどのカーモデリングの専門の方は、もっと時間をかけて鏡面仕上がりの実車さながらの完成品を作られますが、我々は、あくまでもジオラマ背景のパーツとしてですから、それなりの仕上げで十分でしょう。

まずは、塗装の下準備から

     まずは、塗装に備えて、すべてのパーツをばらします。今回は、ディスプレイモデルが前提ですから、ラジコンのアンテナや内部の基板などは全て取り外します。次に、F1のボディに張られた安っぽいステッカーをはがします。そして、アンテナやケーブル類のために開いている穴を全てポリパテなどで埋めてしまいます。ポリパテで埋めたあとをサンドペーパーで平面になるようにやすりがけします。この結果、ボディは、元の赤とポリパテの白が混在することになります。2台とも、同じように作業ができたら、いよいよ下地塗装に入ります。

ラジコンのF1モデルネットオークションで容易に入手できるラジコンF1モデルF1をバラす。2008/9/12 まず塗装に備えマシンをバラします。ポリパテで埋める9/21 各部の穴をポリパテで埋め、ペーパーがけ。



     下地塗装(サーフェイサー)を吹くときに、問題になったのは赤のビザールマシンでした。通常、ポリパテとボディの元色との混在を消すためには、一般にグレーのサーフェイサーを使います。しかし、赤という色、特にレーシングマシンのようは鮮やかなイタリアンレッドを塗るときは下地の色は白または、ピンクにしないときれいな発色になりません。

グレーの下地塗装9/26 グレーの下地塗装開始。f1_05.jpg赤の仕上げのために、さらに白の下地塗装を吹き付ける。ポリパテで埋めたF19/27 これは、黒マシン用なのでこのまま下地塗装へ グレーの下地塗装グレーの下地塗装を吹いたもの。黒の場合、これで終わり。



     したがって、グレーの下地色では、このうえに赤を塗っても黒く沈んでしまうのです。ワインレッドのようになります。そのため、一度、グレーの下地を吹いてから、さらにもう一度、上から白のサーフェイサーを吹き付ける必要があります。結果的に、作業時間が倍増します。黒のビザールクイーンマシンは、別に問題が無いので、そのままグレーの下地だけでOKです。

表面がザラザラの下地塗装9/28 下地を吹いた直後は表面がザラザラです。下地を磨く美しいマシン塗装にするために、下地表面をツルツルに磨く美しい夕陽9/27 下地塗装の乾燥を待つ間の、美しい夕陽に感動!



    下地塗装が乾く時間を待っていると、夕日がとても美しかったので撮影しました。はるか彼方は、関西空港があり、飛行機の離発着が見えます。上海へ出張するときはいつもあそこから飛ぶんですよ~。さて、下地が乾いたら、仕上げの塗装を美しくするために、下地表面をペーパーがけでツルツルに磨きます。これをしておくことで、仕上げ塗装の光沢がよりアップします。ただ、あまり磨くと、サーフェイサーが剥げて下地が露出してしまうので注意してください。

     なお、塗装というのは、急ぐあまりに、乾燥しきっていないのに、何度も重ね塗りをすると、塗料が垂れ落ちるので失敗します。特に、サーフェイサーは食いつきが弱いので、垂れやすい傾向があります。今回の製作でも2回ほど経験済み…、トホホ。結果的に、サーフェイサーをシンナーで落として、再びやり直しで、余計に時間がかかりました。やはり、あせりは禁物です。



いよいよ、仕上塗装からマシン完成へ。

     下地の準備もできたので、仕上げ塗装に入ります。日頃1/35や1/24スケールのプラモデルをいじりますが、今回のように1/6のおまけにF1クラスのモデルになると、とにかくデカイので、取り回しに苦労しました。塗装排気ブースをはるかに越える大きさだし、吹き付け量も半端でありません。エアブラシのラージカップの塗料でもすぐに減っていきます。やはり、1/6スケールでは、オートバイくらいがスペース的に見て限界ということが今回の作業でわかりました。

     本塗装は、薄く何回も分けて吹き付けます。一度に濃く吹くとサーフェイサー同様、塗料が垂れて失敗します。時間のかかる作業です。無事、本塗装が終われば、最後にスーパークリアを吹いて表面を保護し光沢を与えます。そして、すべての塗装が十分乾燥したのを確認したら、表面を#3000クラスのペーパーやコンパウンドで磨いてピカピカに磨きます。1/24スケールのカーモデリングでは、さらにこのあと水研ぎなどをして鏡面にまで仕上げるわけですが、我々はこれで完了にしましょう。

黒のビザールクイーンF110/4 黒の塗装開始。まずは、薄く塗り重ねていく。黒の塗装完成したF1黒の塗装完了。この時点では、まだ鏡面の光沢が無い。鏡面仕上げのF1スーパークリアをさらに吹き付けて表面を磨き、ピカピカに光沢がでた完成ボディ。赤のビザール完成ボディ10/5 同じく、光沢仕上げの完成したビザールマシンのボディ。



     下ボディができたので、次は、足回りを仕上げます。まずは、ホイールを黒とゴールドに塗ります。ビザール仕様は赤ボディなので、黒のホイールに、ビザールクイーン仕様は黒ボディなのでゴールドのホイールに仕上げます。つぎに、アクセントとしてタイヤのレタリングを塗装ではなく、実際にゴムから切り出したものを貼り付けてよりリアルな感じに仕上げます。レタリングは社名のINFOMAXと、BIZARRE、BIZARREQUEENの文字をイラストレータで作り、レーザーで白のゴム板をカットして作りました。

     問題は、これをタイヤ表面にどうして貼り付けるかですが、いろいろ試行錯誤した結果、やはり定規がないと正確に貼ることができないことがわかりました。そこで、イラストレーターでタイヤ直径に合わせてレタリングを配置した原画を作成し、それをそのままレーザーで、透明の塩ビ板から切り出して、定規をつくりました。これを冶具として、一文字ずつボンドで貼り付けて、やっとできあがりました。8個のタイヤにかなりの文字パーツをひとつずつ貼り付けていくのは、結構根気の要る作業でした。

F1のホイールキャップ10/11 ホイールキャップを外して塗装する。ポリパテで埋めたF1レタリングを貼るための冶具。タイヤの直径に合わせて固定する。ゴムのレタリング文字貼り付けるレタリング文字は白のゴム板をレーザーで切り出して作る。完成したF1タイヤ立体的なレタリングを貼り付けると、足回りが引き締まって見えます。



     こうして、全てのパーツをとりつけたら、さすがにF1のサマになってきました。でも、もひとつメリハリがないのは、肝心のロゴステッカーが無いからです。そこで、BIZARRE,およびBIZARRE QUEENのロゴマーク、INFOMAXの社名、マシンナンバーなどいろいろなステッカーをイラストレーターでCGの原画として作成します。これをデカールにするために、市販されているデカール用の用紙を使って、昇華プリンタで印刷します。自作デカールを作成するには、個人モデラーの定番アプローチがありまして、現在日本で一社だけALPS社のマイクロドライプリンタを使う方法しかありません。本来、デザインの印刷カンプ確認用の高精度な印刷が主用途の非常にマイナーなプリンタです。ところが、唯一高精度な自作デカール作成にも転用できるためモデラーには、重宝しているプリンタです。自作デカールの作成方法は、改めて解説ページを作ろうと思います。最後のデカール貼り作業は、マシン完成を意味するので楽しい作業でした。

パーツ取り付けたF110/12 タイヤを装着して、全てのパーツを取り付けた状態。F1らしくなりました。ビザールクイーンのマシン10/13 デカールを貼って完成したビザールクイーンのマシン。ビザールの完成F1マシン同じく、完成したビザールのマシン。約1ヶ月にわたる作業でした。



2008年の10/13に2台のF1が完成し、約1年後の今、やっとこれらのF1を活用したアイドル写真の撮影ができたわけで、感慨深いものがあります。とにかく、デカイので、完成するまで2台のマシンの作業中の置き場に困ったのが印象的なF1作成でした。